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【#み展】アーティスト「達」によるギャラリーツアー・レポ~前編~

去る8月3日(土)、2か月間に及ぶ#み展こと「三原聡一郎 レシピ:空気の芸術」が閉幕しました👏
最終日には三原聡一郎と展覧会に携わった「達」によるギャラリーツアーを開催。果たして「達」とは??ツアーのハイライトをレポートします!📝


ツアーは大盛況となりました!!!

まずは1階から「達」とともに

ウェルカムドリンクに冷たいハーブティー

特製ハーブティー

受付を済まされた参加者の皆さまを、まずは冷たいハーブティーでお出迎え。そのあらましは…?一人目の「達」に伺います。

ウェルカムドリンクの種類:
・ホーリーバジルの水出しハーブティー
・レモングラスのよる水出しハーブティー
・レモングラスとホーリーバジル、オレガノを閉じ込めた氷

アートディレクターの津嘉山裕美さん

津嘉山さんは、三原さんと共にコンポスティング・プロジェクト「有機的であること」を企画された方。(詳細は下記リンクよりどうぞ👇)
ケムコンポストの装置は津嘉山さんよりお借りしています。コンポストや植物のことをいろいろ教えてくださる偉大なる大先輩です🌱

津嘉山さんのご協力をいただきながら、会期中にKeMCoで展示され育てられたハーブを、水出しハーブティーにして提供。三原さんが「物質の循環」「流れているステータスの変化」を意識して制作される中で、展覧会での循環について考えられてのことです。
ちなみに、実は紙コップもコンポストに入れて再生可能なものを使っていました👀🍃

このようにして、三原さんとともに展覧会に関わってきた仲間「達」が語りだす「アーティスト「達」によるギャラリーツアー」が始まったのでした👏

ケムコンポスト

展覧会の約一年前からKeMCoで回していて、さらに展覧会会期中は1階エントランスで皆様にお目見えしたケムコンポスト。空気をかき混ぜ、有機物を微生物の働きによって堆肥を作っていく三原さん制作の装置です。

3つのバケツの高さが違っているのは、三原さんによれば実は鼻の高さに合わせているのだそうです。それは、土を扱い、状態を知るのには手触り、温度、湿度を知ることに加えて、香りを知ることがあるからだそう。

筆者も会期中よく匂いを嗅ぎに行っていました🐽コンポストって本当に日々匂いが違うのです……😲

コンポスト王子こと、KeMiCo(KeMCo学生学芸スタッフ)Hakutoは、KeMCoで取り組んでいる「ケムコンポスト」について紹介。

調味料が付いている食べ物のくずや、動物性のものを投入すると匂いが出たり腐ったりと状態が悪くなってしまうのでは……という懸念がありましたが、やってみるとうまく分解され、コンポストの底力を感じる。分解されるだけでなく、温度や質感にも日々変化が現れることに驚きながら携わっています。

KeMiCo Hakuto

Hakutoは今年度に入ってからコンポストのお世話をしてくれています。そしてケムコンポストマガジン↓も発信中🍃
展覧会期間中、#み展日記の投稿をまとめてnote記事を書いてくれていたのも彼です👏

展覧会の中でコンポストとともに育ったハーブを美味しくいただき、「循環」の話を伺うと、自分もこの展覧会の循環の中に加わったようで一気に当事者意識が芽生えてきます🔥

真ん中のバケツは、慶應義塾中等部のもの。ケンタッキーの骨が今もゴトゴトと回っています。三原さんと中等部生がワークショップで制作した「筆」も壁面いっぱいに展示されました👏

「3月11日に波に乗ろう」

壁面展示の左側は、三原さんの近年のプロジェクト「3月11日に波に乗ろう」に関するさまざまなアイテムが👀 iPadで流れているのは、第3回の実施となった今年2024年の波乗りイベントの映像。(現在、YouTubeにて公開されています)

会場となっているカルチュラル・プラットフォーム「縁側の家」の主催であり、このイベントの共同主催をされている高橋優子さんにお話を伺いました。

2016年、このお家とお庭の様子を外から覗いたそのときに、使わせてもらいたいなと思い、譲ってもらうことになりました。
料理人の弟が毎年「みんなに美味しいものを食べてもらいたい」と言って作るメニュー、父が作っている竹細工……私は今朝も波に乗ってきて、周りに仲間がいて。きっと今頃、午後のセッションに行っている。そういう日常をいつくしんでくれる人が他にもいるっていうのが嬉しいなと思っています。

カルチュラル・プラットフォーム「縁側の家」高橋優子さん

「3 月11日に波に乗ろう」は来年も開催されるとのこと。興味のある方はぜひ、3月の波に乗ってみては🌊

お花の彩り

さらに、三原さんはいつも何かしらの植物が飾られている「縁側の家」の空気感を み展の1階エントランスにも取り入れようと、「縁側の家」からお借りした花入を設置。
そんなエントランスの生け花の彩りを司ってくださっていたのが、KeMCoスタッフ・篠さん。

慶應のキャンパス内からこの場所に生けるものを見繕い、展示に日々変わっていく彩りを与えてくださっていました🌸

一番最初はキャンパス内の「雑草」と言われているようなものを生けられたらと思っていて、丁度そのころネジバナも咲いていたのでこれは幸先がいいなと思っていたのですが。
慶應はものすごくキャンパスが綺麗で、逆に綺麗すぎちゃって落ち葉も雑草もほとんどなかった。それで仕方なく植栽を拝借したりして生けさせていただきました。最初思っていたこととは違ってしまいましたが、2か月間楽しくやらさせていただきました。ありがとうございました。

KeMCoスタッフ・篠さん

ZINE:『CoZ Vol.4 三原聡一郎特集』

今回の展覧会では印刷方法にもこだわりが光ります。展示室の「レシピ」はシルクスクリーンによるもの。これに合わせ、展覧会フライヤーはシルクスクリーンと同じ仕組みで大量印刷が可能な孔版印刷(リソグラフ)で刷られています。

今回、展覧会フライヤーは3色展開でした

KeMCoM(KeMCo学生スタッフ)が今回の展覧会に合わせて発行したZINE『CoZ Vol.4 三原聡一郎特集』は、この展覧会フライヤーをオマージュしたリソグラフ印刷によるものです。

『CoZ Vol.4 三原聡一郎特集』

三原さんへのインタビューも行ったKeMCoM。このイベントでは記録係として大活躍でした✨

今回は「物質循環」というテーマがあることを事前に聞いていたので、紙の種類も広島の折り鶴を循環したものやコピー用紙の再生紙などを使って3種類ご用意しているので、その種類を楽しんでいただけたらと思います。

KeMCoM KOKOさん

展示作品それぞれに詰まった、三原さんと三原さんの活動に関わってきた人たちの縁の広がり、そのオープンさを感じる1階エントランスでした🌎

次回、いよいよ3階展示室&香りのパフォーマンス編!

~後編につづく!~


KeMCoは2024年8月4日~10月6日まで休館中ですが、KeMCoスタッフの夏の動きはここで垣間見えるかも…👀
プカプカ島に滞在してきた(?!)KeMiCoのミステリーハンターからの不定期報告、目が離せません!

休館後、次のお目見えは「Land-scape-お持ち帰りできる風景」(10月7日(月)~12月6日(金))です🌎写本や稀覯本(きこうぼん)、版画や写真、絵葉書や旅の道具などの紹介を通じて、みなさんを「お持ち帰りできる風景」を巡る旅にご招待します。お楽しみに!

文責:KeMiCo Honoka