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展示室からのエフェメラ便り✉️② いろんなエフェメラを見てみよう〜チラシ・チケット・冊子〜

KeMCoでは現在「エフェメラ:印刷物と表現」展を3/18(月)から5/10(金)まで開催中!🌷
noteでも「エフェメラって何??」など、ご紹介してきました📩
今回はRoom1:印刷物エフェメラからの第二弾です!

過去のエフェメラ記事はこちらから⏬

画面外左手(Room1):印刷物エフェメラ 
右手(Room2):河口龍夫と冨井大裕の二人展

はじめに

Room1では、印刷されたエフェメラ(Printed Ephemera)をご紹介しています。前回・第一弾ではその「住み処」について、アートライブラリー(美術図書室)やアーカイヴがあること、そして、展示室では手に取ることのできないエフェメラですが、これらの「住み処」を訪ねれば、手に取ってじっくり見ることができることをご紹介しました📚

第一弾はこちらから⏬

さて、そんなエフェメラですが、印刷物ということもあってさまざまな役割と形態を持っています。今回は、そんなエフェメラの種類について、展示室からご案内します😊

情報を送り届けるエフェメラ

Art & Project bulletin

「Art & Project bulletin」展示風景

Room1に入ると目にするのが、「Art & Project bulletin」です📩
「Art & Project」というオランダの画廊から、そこで行われる展覧会を告知する案内状として各地に送付され、また展覧会冊子の役割を担っっていたのが、会場で見られる「Art & Project bulletin」です。統一されたフォーマットを持ちながら、各展覧会で取り上げられる作家の個性を反映した作りになっているところが魅力です✨

折りたたんで郵送先と切手が付され、その上に消印が押されています。
チラシかつ郵送物として、情報を送り届ける機能を持っていたのです📩

今回は東京国立近代美術館アートライブラリさんからお借りしていて、1968-1989年までのビュルティン全てが一堂に会しています👀📚✨

並べて壮観なエフェメラ

SAC / SAC Journal

「SAC / SAC Journal」展示風景

整然と並ぶ「Art & Project bulletin」から背後に目を転じると、草月アートセンター発行の「SAC / SAC Journal」が並んでいます。1958-1971年まで活動した現代芸術の拠点・草月アートセンターの会員向け冊子だそうですが、並べてみるとその彩りが目を惹きます🌈

初代から一貫した正方形の冊子のサイズや色の組み合わせの妙により、各冊子の個性がありながらも統一感を残していて、長期保存を目的としないエフェメラ、と言えど、こうして全体を並べてみることを想定していたのでは??とすら思ってしまいます👀

それぞれの冊子の中で、文字や音楽、表現と向き合った冊子となっています。KeMCoでは今月4月4日、草月アートセンターのアーカイヴを持つ慶應義塾大学アート・センターのアーキヴィスト・久保仁志氏をお招きしたトークが行われました。その開催レポート・トーク動画も近日公開予定です✨

活況を伝えるエフェメラ

南画廊

「南画廊」展示風景

こちらには1956年〜1979年まで活動した南画廊のカタログが並んでいます。サイズもさまざまな冊子たちは、それぞれに異なるフォントや色が採用されており、その自由度に作家と南画廊主・志水楠男の表現意欲を見て取ることができます。
整然と並べられてもなおエネルギッシュなこれらの冊子は、実は開いてみるとさらに面白いのです……!❤️‍🔥

南画廊案内状

また、カタログ・リーフレットの横には南画廊への案内状が並びます。
冊子とは異なり、統一されたフォーマットに則った案内状が逆に展示内容への想像を膨らませる余地となったかもしれません。
いずれも、戦後の高度経済成長期、アート界の活気ある雰囲気を伝えるエフェメラルな存在です。

南画廊カタログを開いてみる楽しさについては、こちらで熱弁しておりますのでぜひご一読ください!👀📘

おわりに

当初Room1についてお伝えするnoteは一つにまとめる予定でしたが、情報を届けるエフェメラが集まっているだけあって情報たっぷりでしたので2つに分けての投稿となりました……!
次回取り上げるRoom2では、こうしたエフェメラの形態・性質・エフェメラから見えてくる時代性といった特性に関心を持つ現代のアーティストお二人の作品が展示されています。こちらも乞うご期待!✨

※参考文献
『[展覧会カタログ]エフェメラ:印刷物と表現』慶應義塾ミュージアム・コモンズ、2024年


KeMCo企画展「エフェメラ:印刷物と表現」

日付|2024年3月18日(月)~5月10日(金) 11:00–18:00 土日祝休館
特別開館|3月30日(土)、4月20日(土)
臨時休館|4月1日(月)、4月30日(火)~5月2日(木)
場所|慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)    
入場|どなたでもご覧いただけます・無料
主催|慶應義塾ミュージアム・コモンズ、Japan Cultural Research Institute
協力|慶應義塾大学アート・センター
出品協力|東京国立近代美術館アートライブラリ

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画面右:カタログ 左:展覧会チラシ

文責 KeMiCo Honoka

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