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KeMCo Talk3「#ちょっとKeMCoまで」 質問回答

こんにちは!9月に入り、朝晩が涼しくなってきましたね。
KeMCoは次回展の準備のため休館中ですが、9月2日(金)の夜にトークイベント「#ちょっとKeMCoまで」を開催しました。

イベントはKeMCoの1Fエントランスで開催され、前半はKeMCoスタッフによる大学ミュージアムやKeMCoについてのトークが、後半では参加者の皆さんからの質問にKeMCoスタッフに回答しながら進めました。
この記事では本間さん(専任講師)、松谷さん(専任講師)、長谷川さん(所員)、山田さん(学芸員補)の4名のKeMCoスタッフが回答した質問と回答をご紹介します!

大学ミュージアムとしてのKeMCo

大学ミュージアムならではの取り組みはありますか?KeMCoの活動は授業でも活かしたり、(一貫校や大学、大学院などの)学生を巻き込んだ展示などの企画も多いように思います。

本間さん「KeMCoは新しくできた慶應義塾の大学ミュージアムで、作品と結びついている場や人との結びつきを壊さずに、表に出たり、新しいつながりやプログラムを作るためのお手伝いをしています。作品の背景や文脈のようなものも見せていくことができればと思っています。」

長谷川さん「KeMCoは大学という場所にあるミュージアムなので、研究者や学生がいる場というところが特徴的だと思います。KeMCoMなどの学生スタッフが展示企画に入ることで、切り口を変えて若い世代にもアプローチすることができているように思います。」

松谷さん「前回の『書を極める』展では、出品作品が貴重な資料として注目されるだろうと思っていましたが、若い世代にどのように興味を持ってもらうかという課題がありました。KeMCoM企画では、古筆切(こひつぎれ)を制作するために必要な技術「相剥ぎ」を気軽に楽しく体験できるワークショップを企画してくれました。難しい展示でしたが、ワークショップを通して一般の方が展示の方にも興味を持ってもらえたり、専門家の方も楽しめる企画になりました。専門性がありながら一般の方にもひらいていく展示のバランスをとることができたのではないでしょうか。」

KeMCoの展覧会の決め方

KeMCoの展覧会のテーマはどのように決められているのですか?

本間さん「KeMCoでは年に4回の展覧会(大きな展覧会を2回、小さな展覧会を2回)を開催しています。センチュリー赤尾コレクションに関する展覧会のほかに、(一般的な美術館では展覧会の開催までの2~3年ほど準備期間があるのですが、)KeMCoでは長期的な企画のほかにも、大学内の活動などに応じて柔軟に展覧会の企画を検討しています!

KeMCoに関する質問

KeMCoに入館できるのは展覧会のときだけですか?また、地元コミュニティとの関係の構築や深化をどのように深めていきますか?

本間さん「KeMCoには常設展がなく、展覧会の会期以外にお越しいただいても残念ながらご覧いただける作品がありません。新型コロナウイルスのこともあり、これまではなかなか外部に開くことができなかったのですが、少しずつ外部へも開いていくことができればと思っています。地元コミュニティとのかかわりについては、例えば1つの収蔵作品を囲んで専門家の話を聞くなどといった、大学の講義や展覧会、ギャラリートークとも異なる親密な会話ができるようなイベントなどを行っていきたいです。」

松谷さん「展覧会の関連イベントとして開催できるほど、たくさんの人数のお客様をご案内はできませんが、濃密な時間を過ごせるのではないかと思います。」

本間さん「作品を囲んで親密な会話をするというのは、KeMCo(慶應義塾ミュージアム・コモンズ)の『コモンズ』に込めた意味の一つと重なっていますね。海外の大学には伝統的に『コモン・ルーム』というラウンジがあり、そこでは大学の先生や学生さんから地域の方までが交流します。慶應義塾では『萬来舎(ばんらいしゃ)』という、主に教員と来客が会話するコモン・ルームのような役割のある場所がありました。KeMCoではそのような距離感や間合いで美術作品や、人と人のかかわりを考えています。大学から一方的に発信するだけでなく、コミュニティや関係性を考えるイベントや企画を考えていきたいです。」

KeMCoの中でお気に入り/おすすめのスポットなどはありますか?

山田さん「5Fのワークショップルームがお気に入りです。学芸員資格を取得するための『博物館学実習』などの授業を開講するほか、KeMCoが主催しているワークショップなどが行われています。教育機関らしい場所かと思います。」

KeMCoの活動を内外に伝えるためにどのようなことをしていますか

山田さん「8FにあるKeMCo StudI/Oは特徴のある部屋のひとつです。KeMCoは展覧会を見る場だけでなく、アウトプットする場としても機能します。」

本間さん「三田で勉強している学生さんは座学が多くなかなか手を動かす機会が少ないのですが、手を実際に動かしてものづくりをすることで、自分が何ができて、どのように前に進んでいけばよいか考える場所として機能できればよいかと思っています。KeMCo StudI/Oのオープンデイも設けたいと思っていますので、ぜひお越しください!」

ちょっとKeMCoまで

イベントの最後には、KeMCo StudI/Oにも作品が設置されている現代アーティストの大山エンリコイサムさんの新作を中心とした「大山エンリコイサム Altered Dimension」展(10月17日~)の紹介がありました。
次回展準備のためKeMCoはまだもう少し休館しておりますが、ぜひこの機会に、「ちょっとKeMCoまで」訪れてみてはいかがでしょうか?

皆さまのご来館をKeMCoスタッフ一同、お待ちしております!
(記=Jim)


大山エンリコイサム Altered Dimension展

2022年10月17日(月)~12月16日(金)
月火水= 11:00–17:00、木金= 11:00–19:00 [土日祝休館]
※特別開館|11月5日(土)、12月3日(土)11:00–18:00
※臨時休館|11月7日(月)、12月5日(月)
無料、どなたでもご覧いただけます
https://kemco.keio.ac.jp/all-post/20220820/

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