慶應義塾のミュージアム | グランド・オープン記念企画 【交景:クロス・スケープって何!?】 作品紹介とともに解説してみた
こんにちは、KeMCoMのKAHOとRUKAです!慶應義塾ミュージアム・コモンズ【 KeMCo 】で2021年4月19日より始まる『交景:クロス・スケープ』。私たちKeMCoMも日々グランド・オープンに向けて着々と準備を進めております!
しかし、ふとこんな声が聞こえてきました…
「交景:クロス・スケープってなんぞ??」
確かに、この言葉だけを聞いてもピンとこないですよね。ということで、今回はこの「クロス・スケープ」という言葉をKeMCoM目線で解説していこうと思います!
1.「交景:クロス・スケープ」って何?
大学に長い時間をかけて蓄積してきたさまざまな作品や資料ーーオブジェクトが、KeMCoの展覧会やイベントを通じて出会い、オブジェクトにかかわる人びとが対話することによって、新しい景色が開かれます。グランド・オープン記念企画「交景:クロス・スケープ」では、オブジェクトや人びとが交差するところに現れる景色の一端を「文字景」「集景」の2つの展覧会と、シンポジウム「本景」によって紹介します。
本記事では、その中でも「文字景」と「集景」と名付けられた、2つの展覧会について紹介していこうと思います。
2.展覧会「文字景」とは?
場所と時間を超えて広がる文字文化の展開を、新しく慶應義塾に寄贈されるセンチュリー赤尾コレクションの名品と義塾に蓄積された資料を通して描き、その背後に広がる風景を探ります。この「文字景」を三つの観点から詳しく見ていきましょう。
承ける ー 漢字の伝来と展開
大陸からもたらされた漢字を用いて文化や宗教を学ぶ一方で、その中で認められた写経には、日本の美意識が十分に発揮されています。
「紺紙金字観普賢経(平基親願経)」治承4年(1180)
Q.紺紙金字ってなんですか?
A.紺に染めた紙に金泥で書いたもの。現在でも、お寺の特別な写経として体験することができるそうです。
Q.普賢ってなんですか?
A.全てにおいて賢い最強菩薩!女性の救済を説く法華経の普及とともに女性に多く信仰を集めました。
つなぐ ー ひらがなの文化
「ひらがな」の誕生はさまざまな日本文化の土壌となりました。和歌はその一つです。和歌を通してひらがなの文化を紐解いていきます。
「三十六歌仙図屏風」近衛信尹賛 江戸時代初期(17世紀)
Q.三十六歌仙って何!?
A.藤原公任の「三十六人撰」に載っている。平安時代の和歌の名人です。有名どころだと、小野小町や在原業平がいます!
物語る ー テキストとイメージ
広く親しまれている「源氏物語」や「平家物語」のさまざまな写本に、最新のデジタル技術を用いながら、「ものがたり」をめぐる研究の世界をご紹介します。
「源氏物語」江戸時代初期(17世紀)
「源氏物語橋姫図」江戸時代前期(17世紀)
Q.あの覗いてる男性は何者!?
A.源氏物語宇治十帖の主人公薫です。生き方やアイデンティティに悩む中で、中君に出会って恋が始まるそのシーンです。
3.展覧会「集景」とは?
大学・学校のコレクションは、そこに集う人々の関係性の中で紡がれていきます。本展示では、卒業生の作品や、学内で形成された人的つながりをバックグラウンドにもつ作品を中心にご紹介します。
「FFIGURATI #314」大山エンリコイサム 2020年
Photo: ©️Katsura Muramatsu [Calo works]
Q.すごい印象的な作品だけど、大山エンリコイサムさんって何者!?
A.グラフィティ文化の視覚言語から文字を取り除き、線の動きのみを抽出し、反復・拡張させた「クイックターン・ストラクチャー」と呼ぶ技法を使って、壁画やペインティング作品を発表されている方です。2007年に慶應義塾大学環境情報学部を卒業された私たちの先輩でもあるんです!
4.まとめ
「クロス・スケープ」のイメージはできましたか?今日紹介した作品以外にも、もっと多くの作品が当展覧会では展示される予定です。ぜひ実際に来ていただいて、「クロス・スケープ」を実感してください!
KeMCoM
KAHO & RUKA