展示室を見守る、監視員さんって?
展覧会に行くたびに目にする、展示室の端で作品を見守っている人…🖼
「学芸員さんなの?」「何をしている人なの?」
と、よく聞かれますが…
実は、監視員と呼ばれるお仕事の方たちなのです🌟
学芸員とは異なり、多くの場合アルバイトの求人などで募集され、展示室にいない学芸員の代わりに、作品を最前線で見守る重要なお仕事です。
今日は、KeMCoで監視員をしてくださっている慶應義塾大学文学部2年の末川さんに、監視員さんのお仕事についてお話を伺いました!📝
早速インタビュー開始!
こんにちは!
末川さんは、慶應の学生であり、アルバイトで監視員をされているのですよね?
この記事の読者のみなさまのために、簡単な自己紹介をお願いします!
文学部人文社会学科心理学専攻2年で、感性心理学に関心があります。
感性心理学は新しい分野で、研究対象には芸術なども含まれる領域横断的な学問なんです。
なるほど…感性心理学という分野があるのですね。勉強になります…✏️
監視員のお仕事はどのようなきっかけで始めたのですか?
履修している授業の中に、慶應義塾大学アート・センターの先生が担当されている授業があり、監視員のアルバイトの紹介がありました。
(※KeMCoとアート・センターの監視員さんは一つの枠で募集しており、シフトも両方の施設に振り分けられます。)
もともとアートに関心があったし、授業の間の隙間時間に効率よくアルバイトができそうだと思って応募しました。
監視員さんは普段何をしているの?
監視員さんって、業務中はどのようなことをしているんですか?💭
とにかく作品を見守っています。みなさま慎重に鑑賞してくださいますが、時折鑑賞に集中するあまり、つい作品に近づきすぎていたり、荷物が作品に当たりそうだったりするお客さまがいらっしゃるので、その時はお声がけをします。
あとは、お客さまになにか聞かれたら、答えられる範囲で答えています。
ほとんどは「他に展示ありますか」など、会場に関係することですが、時々作品に関する質問などもあります。
答えられなかった質問は、学芸員さんのいるオフィスに電話をしたり、監視員の間で共有しているノートに書いておくこともあります。📖
なるほど…!他に、気をつけていることはありますか?
展示室の作品を傷つける恐れがある、虫(!)の侵入には気を張っています。
もちろん滅多にありませんが、虫を見つけた場合はすぐにオフィスに連絡を入れるようにしています。
(※監視員さんから連絡を受けると、学芸員が駆けつけ、しっかりとレポートとして記録に残します。)
あと最近は特に、コロナ対策として換気や消毒を定期的に行っています!
作品のみでなく、鑑賞するみなさまの安全にも配慮されているのですね!
ちなみに、末川さんは他にもアルバイトをしているのですか?
花屋さんでもバイトをしています🌷。
監視員とは違って、立ちっぱなしなところがちょっと大変ですね。
では、監視員をしていて大変なことはありますか?💦
展示室は、夏場でも寒いくらいに冷房が効いていることです。
乾燥しているので、目も乾きますね…。
展示室は、人間にとっては少し肌寒いくらいの温度で、乾燥しているように感じますよね。これは、作品にとってちょうど良い環境を維持するために必要な設定なのです。そうは言っても、展示室で長時間待機している監視員さんは大変ですね…。
反対に、「監視員をしていてよかったな」と思うことはありますか?✨
やはり、一つの展覧会を長い時間をかけてじっくりと、そして何回も向き合うことができることです。👀
お客さんがいない時は、作品と自分だけが同じ空間にいるので、作品とじっくり向き合うことができます。これは、監視員をしていないとなかなかできない貴重な経験だと思います。
末川さん、貴重なお話ありがとうございました…!
美術館の仕事というと学芸員の仕事ばかり注目されがちですが、実は監視員さんをはじめ、警備員さんや清掃業者さんなど、さまざまな人々のお仕事があって初めて成立しています。
みなさまも、今後展示室を訪れる際はぜひ監視員さんのお仕事にも注目してみてくださいね!
文責 : KeMiCo KOYURI