KeMCo探検記録 〜学芸員補さんに突撃したら美術展の裏側を知ってしまった〜
今日は、KeMCoの探検に行きました!
向かったのは4階オフィス!そこには学芸員補の小松さんがいらっしゃいました。そんなわけで、KeMCoM探検隊は小松さんにインタビューをすることにしました!ここで私たちは美術展の裏側を知ってしまったのです…!
ー自己紹介をお願いします!
「学芸員補の小松百華です。大学では日本美術史を専攻していました。」
ーそもそも学芸員って何をやってらっしゃるんですか?美術館や博物館などで解説してくれる人のイメージがあるんですけど…
「そうですね、人によっては展示室に座ってるだけの人というイメージも持っているそうですが、実際はバックヤードで作品の研究や次の展示の準備をしています。」
ー展示にどんな美術品を置くか、どんなテーマにするかも決めるんですか?
「(小松さんは学芸員補なので、学芸員の)松谷先生の下でテーマなどを一緒に決めて行きました。」
ーずっとKeMCoで働いてらっしゃるんですか?
「KeMCoにくる前に二年ほど違うところで働いていました。去年の今頃に声をかけていただきこちらにやってきました。建物ができる前からですよ!」
ーそうなんですね!!KeMCoで今何をやってらっしゃるんですか?
「展覧会に向けて準備を進めております。」
ー文字景を担当されているそうですね。こだわりはありますか?
「文字にこだわる展示、です。日本美術史は『絵』に注目されがちですが、同じに作品のなかの『文字』、賛文にも注目して観てもらえるようにしました。」
ー確かに、美術展だと参考資料として書物が展示されているイメージがあるので、文字をメインに持ってくるのは新しいですね。
「くずし字AIなどデジタルと融合しているので、そういった新しさもあると思います。」
ーパンフレット、すごいですね!今はどういった作業をしてらっしゃるんですか?
「今は校正作業をしているところです。誤植がないかなどの確認をしています。」
ーデザインも学芸員の方々でやってらっしゃるんですか?
「デザインはポスターのデザイナーさんにお願いしました。」
ー方針などは学芸員の方々で決めてらっしゃるんですかね?図録みたいなイメージですか?
「そうです!」
ー小松さんが好きな展示作品はどれですか?
「やっぱり、『三十六歌仙図屏風』ですかね。KeMCoMも推してくださってるみたいで!」
ーそうですね〜団子みたいに連なってるのが可愛いです(笑)これは実際にこのように並んでたんですか?
「一説によると、昔の歌会の様子が描かれているそうです。昔は、宮中で並んで歌を詠んでいたそうです。この図屏風を見ると、自分も歌会に参加しているような気分になりますよね。」
ーそうなんですよ!この絶妙な隙間に入りたくて… ARフィルターでその夢を実現させることにしました(笑) Instagramフィルターで歌仙たちの間に入って自分に烏帽子が着くものを製作中です!
「すっごくいいですね!そういえばこの図屏風、結構大きいんですよ。高さが150cmぐらいあります。」
ーえ、意外です!より本物を実際に見てみたくなりました!美術館に行く魅力は、教科書や資料ではわからない大きさ・色・表面の凹凸を体感できることだと思うので、多くの人に観てもらいたいですね。
「そうですね。日本美術はかなり渋いコンテンツなので、若い方々にもデジタルコンテンツなどを通してアプローチしていきたいです。」
ー小松さんは高校生の時に日本美術に魅力を感じたそうですが、何がきっかけだったんですか?
「元々日本史を学んでいて、教科書にあった浮世絵を美術館に行って実際に見たら、表面の凹凸や画材が擦れた跡で、実際の日本美術の魅力を体感したことです。」
ー実際に見ることで感じられること、言葉にできない体験がこの展示でできたらいいなぁ。
「そう言ってもらえてありがたいです。」
ー「言葉」を見て言葉にならない体験ができるって不思議ですね。美術って聞くと絵や工芸品を思い浮かべるので、「言葉ではないもの」を見て言葉にならないのは自然ですが、「言葉」を見て言葉にならない経験ができたらおもしろいですよね。
「いいですねそれ!」
ー文字そのものが可愛いって思う感覚も増えている気がします。デジタル時代で文字を書く機会も減ってるし、ゴシック体でない文字が情報ではなく記号として受け取るので、鑑賞対象として「今っぽい」気もします。
(小松さんニコニコ)
ー最後に、この記事をご覧になるであろう皆さんにメッセージをお願いします。
「大学美術館なので、敷居はそんなに高くありません。AIなどのデジタルコンテンツもあるので、コロナに対する不安もありますが、気軽にお越しいただければ幸いです。」
ー本日はありがとうございました!
「ありがとうございました!」
我々KeMCoM探検隊は、お菓子をもらってベースキャンプ(?)である8階KeMCo StudI/Oに帰ったのであった…
美術展の開催の裏には、学芸員の方々の緻密な準備作業があるのですね…(お菓子を食べながら)
文責:KAHO & RUKA