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KeMCo探検記 〜KeMCo機構長・松田隆美先生に突撃!(西洋)文字景の魅力を聞いてみた!前編〜

KeMCo探検隊のKeMCoM KAHO & RUKAです!

ついに、4月19日に Keio Museum Commons グランド・オープンいたしました〜!!!(ぱふぱふ)

ということで、今回私たちKeMCoMはKeMCoの機構長である松田隆美先生に特別にインタビューして来ちゃいました…!松田先生がキュレーションを務めた(西洋)文字景のお話をたくさん伺えました!超ボリューミーなので、前後編に分けてお届けします。ではレッツゴー!

ー 松田先生、本日はよろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いいたします!

「慶應義塾の文学部英米文学専攻で教授を務めています。時代的には一番古い中世ヨーロッパ文学という元々横断的な分野の中で、ヨーロッパ中世の文学に表れてくる思想や文化を専門としております。」

ー 松田先生はデジタルメディアコンテンツ統合研究センター(以下DMC)の初代所長を務めていたそうですが、どういった経緯でなられたのですか?

「25年前の1996年に慶應義塾がグーテンベルグ聖書を購入したのですが、そんなに安いものではなかったので、理工学部・SFC・文学部でグーテンベルグ聖書をデジタル化する共同プロジェクトを始めました。その後しばらくして、人文と理系を融合した研究所としてDMCができたのですが、時間が経つほどに上の先生方が引退してしまって私しか残らず…(笑)それで所長になることになりました。」

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ー そうだったんですね!そしてその後はKeMCoの機構長に?

「そうですね。KeMCoを作るということになった際、塾長から機構長に任命され、DMCの所長は(現在、KeMCoの副機構長も務める)重野寛先生に替わりました。文学と書物がどうデジタルと関わって来たのか...ということは研究していたのですが、ミュージアム系は今までやって来たわけではなかったんです。誰かいないと!ということで私が…(笑)」

ー なるほど(笑)。松田先生は、今回の「交景:クロス・スケープ」において、(西洋)文字景のキュレーションを担当してらっしゃいますよね。この展示会をやるときに、なぜ(西洋)文字景もやることになったのでしょうか?

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「交景の第一章として、文字景がありますよね。KeMCoでやるのは日本の文字だけでしたが、どこかからか「西洋もやれば?」という話が出て。今回は三田メディアセンターとコラボという形でやることになりました。わざと西洋という名前をイタリックでつけて、コントラストを演出しています。」

ー KeMCoに入る作品は以前見せてもらったのですが、日本のものは思っていたよりも遊び心があるという風に感じました。そういう遊び心という点では、西洋のものの方が装飾とかがあるのかなと思っていたのですが、KeMCoで実際に見て日本のものも結構西洋っぽいと感じました。日本の文字景と西洋の文字景、それぞれで共通点や違う点はあるのでしょうか?

「(西洋)文字景は二部構成に分かれています。パート1では書体にフォーカスしていて、どういう書体、今でいうフォント、がエレガントで美しいのか?というところに注目しています。あまりゴタゴタしないでシンプルな美しさという点が、KeMCoにある日本の文字景のシンプルな美しさとの共通点かな?と思います。

パート2では絵入頭文字を特集していて、例えばOだったら穴が空いている部分に物語性のある絵を入れるという装飾頭文字の伝統を集めました。日本の文字景にはそういったものは見られないと思うので、そこが違う点として面白いんじゃないでしょうか?」

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ー 物語などの内容が頭文字の絵に関係しているんですか?

「そうですね、物語以外の学術書などにも、なんでこの絵が描いてあるんだろう?というのが、文章を読むことでわかることもあるんです。文字を飾るっていうのが西洋の特徴なんじゃないかなあ?西洋のものは文字自体を飾って、日本のものは文字が書いてある紙を飾る、そこが違う点かなと思います。」


今回の記事はここまで!後半では5月29日に開催予定のシンポジウム「本景」のご紹介もするので、ぜひチェックしてくださいね!


P.S. 機構長の松田先生とのインタビューにド緊張していたKAHOとRUKAですが、松田先生のとっても優しい雰囲気に癒され、リラックスしてインタビューすることができました…