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【明日1/9開幕!】KeMCo新春展2025「へびの憩う空き地」最速レポ

いよいよ明日1/9(木)に開幕のKeMCo新春展2025「へびの憩う空き地」
展示設営って何するの?この展覧会には何が出てるの?という疑問にお答えする最速先行レポートです✨


展覧会準備、何をする??

展覧会タイトルを決めたり、展示する作品を決めたり、その中で他館から貸し出しをお願いしたり、お借りしに出かけたり、写真を撮影したり、解説を書いたり…展覧会にまつわる学芸員のお仕事をざっとイメージするとこんなところになるでしょうか🧑‍🏫

では、展覧会直前となると…??
肝心要の「展示設営」が待っているのです🔥借りてきた作品、収蔵庫で出番を待つ作品たちを並べていき、どのように見(魅)せるかを考える真剣勝負✨作品の置き方だけでなく、照明の調整も必要です💡展示は作品の「活用」でありながら、できる限り傷つけないように工夫する必要があるため、気が抜けません。

ただし、大きな作品を借りて来て、展示ケースを運び出し、限られた空間の中に設置し、キャプション(会場にある展示解説や各セクションの見出し等々)を切ったり貼ったりする、そのすべてを学芸員だけでやるかというとそうではありません。

各展覧会、各博物館でも異なりますが、
・作品借用→運送会社(美術品輸送部門)
・展示設営→会場設営会社
これは展覧会設営に限ったことではなく、準備段階では
・作品撮影→カメラマン
・展覧会ポスター・フライヤー/カタログ作成→デザイナー
といったようにKeMCoの外からも様々なプロフェッショナルの力を得て展覧会が成り立っています🧑‍🔧🧑‍🎨🦸

ということで、設営中の会場にはKeMCoチームだけでなく設営スタッフの皆さんもいらして賑わっている状況です🔥

慎重に掛け軸を出しています
緑のレーザーは垂直方向を示す秘密道具㊙️
作品が出たあとの梱包材も
対応がわかるように、しっかり管理していきます

本展覧会の目玉は??

合法的に展覧会をこっそり覗き見した結果👀、きっと皆さまの目を引くに違いない!という作品を先行レビューします✨

アオダイショウの骨格標本/アオダイショウのアクリル封入標本(慶應義塾幼稚舎サイエンスミュージアム)

あくまでも造形表現としての干支にまつわる動物を扱うことが多かったこれまでの新春展ですが、今年はなんと…ホンモノがいます…!🐍
リアルでいて、動き出すことはない彼ら。安心してしかとその姿を見るチャンスです。それにしてもへびにこんなに骨があるとは🦴これほどまでにうねることが出来る柔軟性にも、驚かされるばかりです🌀

虫の歌合(慶應義塾図書館)

昨年秋に慶應義塾三田メディアセンター主催の第35回慶應義塾図書館貴重書展示会「へびをかぶったお姫さま―奈良絵本・絵巻の中の異類・異形―」を彩った六曲一双の大変豪華な「虫の歌合」屏風が本展にも出品!

会場にも早速入っており、展示ケースいっぱいにみっちりと収まっております!筆者は初めて拝見しましたが、巻物を屏風に仕立てた想像以上の大きさと、豪華でいて上品な出で立ちに驚きました。

文学部教授・石川透先生による作品解説ギャラリートークは既に定員までお申し込みをいただいております。ありがとうございます✨

これから展示!期待の新企画

「ふとした点景 —— 岡崎和郎」

1/7(火)午前現在、会場には、まだ作品がお出ましでない「空き地」もありました。新プロジェクト「ふとした点景」の会場となる階段踊り場(実はKeMCoの2階)です。

慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)では、美術作品や学術資料、あるいはさまざまなオブジェクトをひとつの展示台で紹介する小さな展覧会シリーズ「ふとした点景」をスタートします。

会場は、屋外の風景に開けた階段踊り場のスペース。「ふとした点景」とは階段の踊り場で展示されたオブジェクトと、それを含みこむ KeMCo の吹き抜け空間の景色を指しています。

https://kemco.keio.ac.jp/all-post/20241219/
(2025年1月7日参照)

まだ展示ケースが一つ置かれているのみ。果たしてここはどうなるのか…??

現代美術家・岡崎和郎氏の「御物補遺」作品が展示予定です。乞うご期待!

【KeMCoも参戦】干支コレクション アワード 2025 巳

さて、毎年恒例「干支コレクション アワード 2025 巳」を御存じですか?各博物館が干支にちなんだ自慢のコレクションをエントリーし、皆さまから好きな作品を選んで投票していただくインターネットミュージアムさんの企画です🐍✨

へび展出品!☞《軍荼利明王図像》

KeMCoからは本展覧会にも出陳される《軍荼利明王図像》(14世紀)がエントリーしております🔥投票は1/24(金)15:00まで!清き一票をお待ちしております🐍💖

覚禅〈1143-1213-?〉編の『覚禅抄』の一部を鎌倉時代(14世紀)に書写したと見られるものの断簡を掛け軸に仕立てた作品です。

各館のへびたちと一緒に並ぶと、《軍荼利明王図像》はパッと見どの辺がへび…?と戸惑うかもしれませんが、かなりたくさんいます。見てください、8本の腕にはそれぞれぐるぐるとへびの姿が。。。

《図像抄》巻第八・忿怒部

ちなみに、今回はエントリーしていませんが、へびぐるぐる巻き仲間(?!)としてKeMCo所蔵の《図像抄》巻第八・忿怒部(仁和寺の恵什編纂10巻本のうち)にも散見されます。姿さまざまなへび巻き巻きフレンズをご紹介します🌍🤝

『図像抄』は『覚禅抄』の大本となったもので、「この人はこういう人!」「この人を描くならこれとこれを持たせて、こんな風にね!」という解説が示されます。密教図像のデータベース、あるいはルールブックのような存在です📚🔑

そんなわけで、軍荼利明王も登場します。ここではこんな姿☟

そのほか、鳥枢沙摩明王

青面金剛明王

大元帥明王

自分だったらと思うとちょっとぎょっとしてしまいますが、尊像を自分に置き換えて想像するのはそれこそ蛇足でしょうか👣

おわりに

以上、会場からのこっそりレポートでした!
慶應各地からさまざまな形のへびが登場する本展覧会。へびたちがこんなにも親しまれてきたということに気づかされるところもあります。にょろにょろしたあの姿にはちょっと抵抗感がある…という方にもオススメ!🙆

干支関連の展示の多い1月ですので、ぜひ他館のへびたちと慶應のへびたちを比べて楽しんでみてくださいね🔍
KeMCo一同、「へびの憩う空き地」でお待ちしています!


🐍KeMCo新春展2025「へびの憩う空き地」🐍
日付:2025年1月9日(木)~2月7日(金)
11:00–18:00 土日祝休館
特別開館|1月18日(土)、2月1日(土)
臨時休館|1月20日(月)、2月3日(月)
場所:慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)
対象:どなたでもご覧いただけます(事前予約不要)
費用:無料
主催:慶應義塾ミュージアム・コモンズ
協力:慶應義塾大学アート・センター、慶應義塾大学文学部古文書室、慶應義塾大学附属研究所斯道文庫、慶應義塾福澤研究センター、慶應義塾大学三田メディアセンター、慶應義塾大学文学部民族学考古学専攻、慶應義塾大学信濃町メディアセンター、慶應義塾大学日吉メディアセンター、慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻、慶應義塾幼稚舎サイエンスミュージアム、慶應義塾中等部、慶應義塾女子高等学校

同時開催☞ふとした点景—— 岡崎和郎
場所:慶應義塾ミュージアム・コモンズ(2階 階段踊り場)

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文責:KeMiCo Honoka

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