慶應八部海ついに集合!?先生方に突撃インタビュー!!
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慶應八部海ついに集合!?先生方に突撃インタビュー!!

慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)の新しい展覧会「オブジェクト・リーディング:精読八景」が、いよいよ来週始まります!

そこで、昨日は主催各部署の先生方が最終チェックを行いにKeMCoにいらっしゃいました。(まさに八部海勢揃い…!!)この贅沢な機会を逃さないためにも、私たちKeMCoMは先生方に突撃して今回の展示の魅力を伺ってきました。6部門の先生方に突撃したので、早速見ていきましょう〜!

慶應義塾大学文学部民族学考古学専攻 安藤広道 先生・山口徹 先生・佐藤孝雄 先生

今回は「日本最古の埋葬犬骨」「木製の犬」「土製の犬」の3点を出展します。埋葬犬と土製の犬は縄文時代の日本のものなのですが、木製の犬は20世紀のニューギニアのものです。時代と場所が違う上に作られている素材も全く違いますが、昔から人間が犬をどれくらい大事にしていたのかが窺えると思います。人間は時間と空間を超えて、ずっと犬と深い関わりがあるのだ、ということをこの3点から感じ取っていただきたいです。物から何かを想像する、というのは考古学のものの見方の魅力なので、来た人がこの子たちを見てどんなストーリーを作るのかが楽しみです。

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慶應義塾大学三田メディアセンター 倉持隆 先生

今回展示する「唐蘭船持渡鳥獣之図」より「獣類之図」は、中国やオランダ船が長崎に運んだ珍しいものを長崎の役人が絵に描いて江戸の将軍に送った物です。その中で当時から特に人気の高かった象の図を出展しています。江戸時代の人が象を実際にどう見ていたのかが生き生きと伝わってきます。もう一つの出展作品は「エドガー・アラン・ポーの遺髪入りペンダント」です。これはポーが亡くなったときに奥さんが遺髪をペンダントに入れた物だそうです。2作品とも全く違う物ですが、共通するキーワードの「命の記憶」をそれぞれから感じ取っていただき、当時の生きていた人たちがどんなことを感じていたのかを皆さんに考えていただきたいです。

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慶應義塾大学文学部古文書室 重田麻紀 先生

文学部に5〜6万点ほどある資料の中で、一番リクエストが多く人気なのが、今回展示する「石城日記」です。幕末の動乱の時代に(今の)埼玉に住んでいた下級武士が可愛い絵と文章で自分の日常を描いています。幕末の時代でも日常生活を送れているということ知れる、貴重な文書なのです。絵が描いてあるので字が読めなくても分かるというのも特徴です。それと対比して、もう一点、今回展示するのは「領地目録」といって、大分県の文書です。江戸時代に徳川幕府が「あなたの藩にこの土地を与えますよ」と出した公的な文書なんです。江戸幕府から公式に出されたものと日常の暮らしを描いた個人の日記、と二つとも全く違う物ですが、どちらも武士という点で共通しています。公的なものと私的なもの、という対比をぜひ楽しんでいただきたいです。

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慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻 遠山公一 先生

美学美術史学専攻からはアルブレヒト・デューラーの「四人の魔女」と葛飾北斎の「鎮西八郎為朝外伝 椿説弓張月」の2点を出展します。二つとも時代は違いますが、版画という点では共通しています。一方、同じ版画でも北斎のものは木版、デューラーのものは銅版、という点で異なっています。北斎の木版は掘り残したところが高くなってそこに色が着く凸版で、陰影がなくベタ塗り感と線で演出しています。他方、デューラーの銅版はエングレービングという手法で明暗法と遠近法を用い立体感をつけています。西洋と日本の版画の違いをこの2作品からぜひ読み取ってみてください。

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慶應義塾福澤研究センター 都倉武之 先生

現在、慶應義塾の塾史展示室の企画展示で出しているもののスピンオフとして今回は「抵抗と恭順」というテーマのもと2点出展します。上野で幕府側の人たちが新政府に向けて抵抗している様子が描かれた「東台大戦争図」と、その戦争の中心人物であった榎本武揚と福澤の関係を表す資料「榎本武揚老母の嘆願書案文」です。上野の戦争当時、福澤は学問を一番に考え授業をやっていた…という話はとても有名ですが、こういった資料からも福澤の人となりが想像できると思います。ぜひ、塾史展示室の展示作品と合わせて楽しんでいただきたいです。

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慶應義塾大学アート・センター 渡部葉子 先生

アート・センターからは今回、「土方巽 舞踏譜『なだれ飴』」を出展します。中には色々なキーワードが書かれているのですが、読み取ってみると普通の日常用語とは違う、普通だったら接続しないような言葉が書かれてあって、それらが相関して「動き」を作り出しています。実物は1ページしか開けないので、他の全てのページを(アート・センターで写真の資料として持っている状態のまま)壁に貼って展示します。もう一点、展示する作品は、アート・センターのアーカイブの中で同じ「動き」というテーマのもと「なだれ飴」とはなるべく遠い関係にあるものを選びました。それがドイツの版画の「リトマス」です。「なだれ飴」とも繋がるように低く吊ったので、そんなところにも注目して作品をじっくり見てもらいたいです。

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以上、6部門への突撃でした!…今回は残念ながら慶應義塾大学附属研究所斯道文庫の佐々木孝浩先生にお話を伺うことができなかったので、またの機会に突撃インタビューして、こちらに掲載します!乞うご期待!

ついに完成に近づいてきた「オブジェクト・リーディング:精読八景」の展示スペース…!内容は勿論のこと、展示の仕方まで先生方のこだわりがたくさん詰まっています。本日ご紹介した魅力にも注目しつつ、ぜひ作品たちを深く読み取ってお楽しみください!

文責:KeMCoM RUKA

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note新エディタ

慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)は、2021年4月にオープンした慶應義塾の大学美術館です。このnoteでは、KeMCoの所員やスタッフがミュージアムやアートに関わる話題を幅広く展開します。「我に触れよ(Tangite me):コロナ時代に修復を考える」展10/18〜