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【Ask KeMCo活用講座】Ask KeMCoを使って展覧会を巡ろう!

「Ask KeMCo」と聞いて使ったことのある方、どのくらいいらっしゃるでしょうか📣そもそも「使う」ものなのか??と思われるかもしれません。

KeMCoでは12月6日まで展覧会「Land-scape-お持ち帰りできる風景」を開催中です。

この展覧会では、「Ask KeMCo」という作品解説機能をご用意しています。でも、案外知られていないのでは??(私も今回まで知りませんでした…)

展覧会を見ていてもうちょっと知りたい!と思ったそんなとき、「Ask KeMCo」を使ってみてはいかがでしょうか。今回はそんなご案内をお送りします💁


Ask KeMCoの使い方

Ask KeMCo(アスク・ケムコ/通称アスケム)は、LINEを使った作品解説機能です。
2019年の「本の虫・本の鬼」展からスタートした機能で、展覧会ごとに度々活用しています。(※Ask KeMCoを導入しない展覧会もあります。)

使い方は簡単!「Ask KeMCo」のLINEアカウントを追加して、作品番号を送るだけです。2秒でできちゃいます✌️

ということで、作品キャプション、あるいは出品作品リストで番号を照らし合わせて「Ask KeMCo」に聞きながら、展覧会を回ってみましょう!何か見つかるかもしれません!💪🏻💪🏻

【実践編】分からないことはアスケムに聞こう!

これはどこの風景?☞No.2-4ジョージ・サンズ『1610年からの旅の記録』


まずは、展覧会ビジュアルに採用されているこちらの作品から見てみましょう。ジョージ・サンズ『1610年からの旅の記録』第3版(ロンドン. 1627年. pp. 309.)です📚

ジョージ・サンズ『1610年からの旅の記録』第3版(ロンドン. 1627年. pp. 309.)

まずは「2-4」と入力して回答をもらいます🗣️

横長の形状故に装丁時に挟み込まれたコンスタンチノープルの景観図(ガラタからのサライブルヌ(セラリオ)の岬の景観)をはじめとして、図版のうちの数点については手彩色で色付けされている。

Ask KeMCo(参照:2024/11/12)

解説と照らし合わせてみると、開かれているページのトップにはたしかに「Constantinople(コンスタンチノープル)」の文字が💯そして、貼り付けられた横長の画面の表題も、「Galata」の文字で終わっていて、イスタンブールのガラタ塔、ガラタ橋が思い出されます。

筆者は昨年ガラタ塔からイスタンブールの街を眺めてきました。
開放的な港の景色に遠くにミナレットが覗くあたり、異国情緒を感じさせる絶景でした。
「お持ち帰り」の景色と実景の照らし合わせはまた別の記事で試みたいと思います。

ノートパソコンみたいな形?☞No.6-1 クロード・グラス

風景を描いた挿絵入りの本が様々に並ぶ展示室内で、黒々と異彩を放つこちらのオブジェクト。一体「お持ち帰りできる風景」とどんなつながりがあるのでしょうか?💻

画面奥がNo.6-1、クロード・グラスです

Ask KeMCoに「6-1」と話しかけてみます🗣️

アマチュア画家や旅行者はクロード・グラスによって眼前の自然を人為的に加工し、絵画として鑑賞したのである。

Ask KeMCo(参照:2024/11/12)

なるほど、こちらもまた、「お持ち帰り」するためのツールだったのですね。目の前の景色を直接捉えるよりも、鏡越しにクロード・ロラン風にして見てみたい、だなんて、「エモい」写真が大好きな現代人と通ずる感覚がありそうで面白いですね📸

【応用編】しれっと河原温がいます

さて。Ask KeMCoを使ってみるべく、作品番号を求めて作品リストや作品キャプションを見ていると、思わぬことに気が付いてドキッとされる方がいらっしゃるのではないでしょうか…。

というのも、この展覧会、とってもしれっと河原温(1932-2014)の《I GOT UP》シリーズが登場しているのです👀
コンセプチュアル・アートの第一人者として知られる河原温は、滞在先から現地の絵葉書に「I GOT UP AT ~」と記載して送り生存を報告しました⏰その日の日付を油彩で記した《TODAY》シリーズも有名ですね📅見てみるとピンと来る方も多いと思いますので、ぜひ検索してみてください🔍

その《I GOT UP》シリーズが、展示室Room2、最後の展示ケース「7-6」にあります。その展示ケースが、こちら。

一見、絵葉書がずらっと並んでいるだけのように見える…

んん??本当にある??
キャプションを見てみましょう。

17,18,19,21,23に「河原温から瀧口修造宛」とありますね!

17,18,19,21,23とは、右から二番目の一列の絵葉書です。

慶應義塾大学アート・センター(KUAC)の瀧口修三アーカイブに入っているこちらの作品。つまり、瀧口宛の書簡のひとかたまりの中で、《I GOT UP》もまた瀧口宛の書簡の一つとして管理されているのです。
たしかに《I GOT UP》の裏面って逆に見たことがないような…《I GOT UP》という作品シリーズとして知られているのものの、「旅先からのお手紙」というのが送られてきた時点での当時の姿であったことを思い出してハッとする瞬間でした🤨

こんなことも、「Ask KeMCo」に聞いてみるともったいぶらずに教えてくれますよ🧑‍🏫

作家の中には葉書を送るという行為自体を作品とするメール・アートを実践する者もあった。本展示の河原温の絵葉書は滞在地の写真絵葉書に起床時間、日付、滞在地住所と宛先をスタンプした《I GOT UP》シリーズである。

Ask KeMCo(参照:2024/11/12)

三田祭期間もKeMCoはオープン!

今年の三田祭は11月21日(木)~11月24日(日)までですが、KeMCoは11 月23 日(土・祝)を特別開館!(24日・25日はお休みなのでご注意ください。)
三田祭の忙しさから心を休めに、展覧会にいらしてみてはいかがでしょうか?そのときはぜひ、Ask KeMCoをご活用くださいね!
お待ちしております!


【開催中!】展覧会「Land-scape-お持ち帰りできる風景」

会期|2024年10月7日(月)~12月6日(金)
   11:00–18:00【土日祝休館】
特別開館|10 月19 日(土)、11 月23 日(土・祝)
臨時休館|10 月21 日(月)、11 月25 日(月)
入場|無料、事前予約不要
主催|慶應義塾ミュージアム・コモンズ
協力|慶應義塾大学アート・センター、慶應義塾大学三田メディアセンター


★ギャラリートーク申込受付中!★
☞お申し込みはこちらから!
日 付|2024年11月29日(金)13:00〜14:00
場 所|慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)
話 者|松田 隆美(慶應義塾大学名誉教授)
※当日のご参加も可能です。お申し込みをいただいた方より優先でご案内いたします(先着順、定員目安:15名程度)。


文責:KeMiCo Honoka