はじめに

先月から始まった慶應義塾ミュージアム・コモンズ（KeMCo・ケムコ）のコンポスト企画（通称：ケムコンポスト）🥬

毎週更新のコンポスト日記を読んでくださった方は、何か生ごみを集めているみたいだけどなにをしているんだろう…🤔と、不思議に思われたかもしれません🥲すみません🙇🏼‍♀️

今回はその謎に包まれたコンポスト企画についてご紹介します💁🏻‍♀️

コンポストとは…❓

そもそも、コンポストとは一体何なのでしょうか❔

コンポスト（compost）は、英語で「堆肥」を意味する単語です。
そこから転じて、「堆肥を作る容器（composter）」や「堆肥づくり（composting）」のことも、日本ではコンポストと呼んでいるようですね。

堆肥は、生ゴミや落葉、排泄物などの有機物を微生物の力で発酵・分解させることで作られます。
これは本来自然界で行われる微生物の分解という作用を含んだ肥料なので、人工的に作られた土壌の質を改善する効果があるとのこと。
つまりコンポストは、生ゴミを再利用して微生物に分解してもらうことで、自然に良い効果をもたらす堆肥を生み出すシステムなのです🍂

（参考にさせて頂いたサイトはこちら👇）

慶應義塾中等部×KeMCo SDGsプロジェクト🌽

そんなコンポストをKeMCoでは、慶應義塾中等部とのSDGsプロジェクトの一環で始めることとなりました👒
KeMCoでは昨年から、SDGs達成に向けた取り組みを実践している慶應義塾中等部と協同して、13番目のゴール「気候変動に具体的な対策を」を主題にプロジェクトを展開しています。

それに関連して普段からできることはなんだろう…と考えたところ、コンポストに着目したのです💡

メディア・アーティスト 三原聡一郎🚶🏻

このコンポストを始めるにあたってキーパーソンとなったのがメディア・アーティストの三原聡一郎さん。

今年度のSDGsプロジェクトでは、「アーティストのまなざしを通じて生態系や循環について考えるプログラム」を展開中👀
三原さんとのコラボレーションでは、これまでの作品からアーティストならではの着眼点や制作のアプローチを見せていただき、中学生自らも身の回りの環境やそこにある循環、そしてものづくりに対して新たな視点を獲得していくワークショップを実施しています。（ワークショップの様子は、別途レポートしますのでお楽しみに❗️）

三原さんは数年前から「土づくり」を実践され、アート・プロジェクトとして展開されています👀🫧
きっかけは2011年3月11日の東日本大震災。
あらゆるインフラがストップするという体験が、改めて身の回りのさまざまなシステムに目を向ける機会となったという三原さん。
排泄物処理システムへの関心を出発点に、微生物による分解のプロセスと循環へのアプローチに行きついたといいます。

いくつかの「土」にまつわるプロジェクトを経て、コロナ禍の2021年にはスタジオでのコンポスティングの様子をOnline Exhibitionという形で中継していく試みも🎥
現在も継続して公開されており、日々の分解のプロセスを不思議なスケール感で目にすることができます。

そしてコンポストで生成した堆肥から「土のインク」を作り、ご自身のアート・プロジェクトでシルクスクリーン印刷などを展開されています。

プロセス、循環をテーマとした作品／プロジェクトは、三原さんのポートフォリオ・ウェブサイトでご覧いただけます💻

コンポスト装置🎡

さてKeMCoに設置されたこの装置。
なんとこちら、その三原聡一郎さんが自作された、コンポストを自動で攪拌する装置なのです🫱🏻‍🫲🏽

電子基盤が見え隠れしていますが、常時回転し続ける三つのローラーにそれぞれバケツをのせています。
バケツがゆーっくりと低速で回転することで、中のものが自動で混ぜられていきます。
常に回転することで新鮮な空気が微生物に届き、うまく分解が促され堆肥ができていく仕組みです🌀

コンポストにはいろいろなタイプがありますが、空気を好む微生物の力を借りて行うタイプのコンポストは、頻繁にかき混ぜて空気を含ませることで分解が促進されます。
三原さんはこの分解を促すための、日々の「かき混ぜる」という行為を自動化する装置をつくってしまったのです🛠

こちらの装置、なんだか見覚えが👀ある方もいらっしゃるかもしれません。
実は、2022年6月から12月に3331 Arts Chiyoda（今年3月に惜しまれながら閉館…😢）のカフェで開催していたアート・プロジェクト「有機的であること」で設置されコンポスティングをし続けていた「装置」そのものを、KeMCoでお借りすることになりました🎉

（3331 Arts Chiyoda cafe Ubuntuでの「有機的であること」詳細はこちら👇）

KeMCoではバケツを左から乾燥、青森、慶應と分けて利用していて、マガジンからお読みいただけるコンポスト日記でも度々登場しているのですが、ここからはその具体的な運用についてご紹介していきます💁🏻‍♀️

ケムコンポスト🥬

まず、バケツの青森・慶應には、それぞれの名前となっている地で収集したコンポストのもととなる基材が入っています🍂

まずは「青森」バケツ。
現在は多くが枯れ葉となってしまいましたが…元々は三原さんが展示参加された国際芸術センター青森でのグループ展「エナジー・イン・ルーラル［展覧会第一期］」に関連しています🌿
会期スタートの7月8日に行われた三原さんの香りのパフォーマンス《本日の空気》のために、現地・青森で調達された植物の葉など有機物の残りを譲り受けて基材としました🍃

（展覧会の詳細はこちら👇）

次に「慶應」バケツは、慶應義塾大学三田キャンパス内の第一校舎付近で拾った落ち葉、そしてKeMCoの入っている東別館のテラスから有機物を集めて基材としました。

そして「乾燥」バケツはその名の通り、内容物を乾燥させるためのバケツになります🌬
KeMCoのコンポストのもとは、ランチで出るフルーツや野菜の皮、そしてお茶殻、コーヒーかすなどが今のところ多いです🍌🥑☕️
それらを投入前に少し乾燥させるため、こちらのバケツを使用します。

そして乾燥させたものは、偶数日は青森、奇数日は慶應と日にちで分けて継ぎ足していき混ぜ合わせていくという流れで運用してみています💡

おわりに

先月から始まっていたKeMCoのコンポスト企画について、少しでも詳細をおわかりいただけましたでしょうか💨

今後も少しずつ変化していくコンポストの様子をマガジンのコンポスト日記からお届けいたしますので、そちらも読んでいただけると嬉しいです🌿

文責：KeMiCo noeka, mio