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roomxみどころ① 土方巽 舞踏譜「なだれ飴」

ご好評につき、会期を2/28まで延長しているオンライン展覧会「Keio Exhibition RoomX: 人間交際」。現在、各セクションいち押しの作品を「みどころ」コンテンツとして続々と公開しております。

本noteでは、その「みどころ」を順次ピックアップしてご紹介していきます。第1回となる今回は、慶應義塾大学アート・センター「土方巽アーカイブ」をご紹介。舞踏の創始者、土方 巽(ひじかた たつみ)の創作ノート・秘蔵動画をお楽しみください。

土方 巽とは?

1998年に設置された土方巽アーカイヴは舞踏の創始者、土方巽(1928‒1986)とその稽古場アスベスト館にまつわる資料体、および関連して高井富子・池宮信夫・石井満隆・辻村和子・副島輝人・吉本隆明に関する資料体を有している。土方の稀有な作舞方法「舞踏譜」の存在は、1986年の死後に研究が開始され、理解が広まった。アスベスト館が所蔵していた16冊のスクラップブックやスクリプトシート255組(1300枚)が現在保存されているが、当資料〈なだれ飴〉は唯一作品を推定できるスクラップブックである。1972年土方は《燔犠大踏鑑第二次暗黒舞踏派 結束記念公演 四季のための二十七晩》という連続公演を行った。スクラップブックに付された名称により、5作品の四番目にあたる〈なだれ飴〉制作のために用意されたノートであると推測される。土方が創造・開発した「動き」が名前を与えられて記号化され、後に「舞踏譜の舞踏」として発展されてゆくメソッドの萌芽が見られ、また舞踏の歴史上重要な連続公演の創作ノートとして舞踏研究において貴重な資料である。


みどころ

舞踊の枠組みを超える革新的なジャンル「舞踏」を創り出した土方巽は、「舞踏譜」という独自のダンスメソッドを生み出した。踊りにおける身体の「動き」を生みだし、かつ記号化することにより言葉で振付を行い、書き留められる記譜法は「舞踏」そのものと共に世界中で評価されている。このスクラップブック<なだれ飴>は舞踏譜創造の最初期に制作されたもので、その後に深化されてゆく世界でも稀有なメソッドの始まり、創造の源を見ることができる。


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