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三田キャンパス展覧会レビュー!議席を與へよ~普選ポスターでみる近代

慶應義塾大学三田メディアセンターの展示室では、慶應義塾のメディアセンター(図書館)の所蔵品を中心とした企画展示を定期的に開催しています。なんと通算で366回を数える歴史の長い企画展示です。
今回は、現在開催中の「議席を與へよ~普選ポスターでみる近代」(1/18~2/8)に、KeMiCoのOta&Hakutoが突撃。展示担当者の皆さんにもお話を伺いながら、展示の様子をお伝えします📸


メディアセンターへ!

早速KeMCoオフィスを飛び出してメディアセンターへ。
展示室は1階の入り口正面にあります。自習や調べものでメディアセンターを訪れた学生たちがふらっと立ち寄れるスペースです✨
今回は特別に本展示の担当者の皆さんに解説を頂きながら、観覧させて頂きました👀今回はその中でも気になった展示品を中心に紹介👍興味を持った方は是非足を運んでみてください👟

メディアセンター入ってすぐに展示室はあります!

普通選挙と「印刷物」

まずは昭和3(1928)年2月20日に実施された第一回普通選挙の際に掲示されたポスター群がケース内に展示されていました。顔とマニフェストが大々的に書かれた現在の選挙ポスターとは異なり、マニフェストを端的に表現したキャッチフレーズと政敵を罵る文言を添えたパンチのあるビビットなポスターたち😮

'普選'ポスター展示👀他にも沢山所蔵品があるそうです( ゚Д゚)

そして左上の内務省発布「選挙の心得」には現在の公職選挙法の礎になる様な条項が箇条書きで書かれているのですが、、

選挙の心得、通称「『罪になります』集」

禁止事項の怒涛の羅列から、当時の新聞からは「『罪になります』集」と揶揄されたそう。そして後半部分は捻りだしたのか選挙とか関係なく、いずれにせよやっちゃダメなことが書かれています。

最後の3つは如何なる時でも罪になります。

そして右側の棄権防止のための選挙啓蒙ポスター(内務省)では、国民に向けて政治参加の機会を逃すことは国の衰退に繋がることが強調されています。今日の様に、国民の政治参加の重要性は民主化黎明期(当時は男子のみ選挙権有)においても既に備わっていたようですね。日本で普通選挙が始まった1928年から有権者の政治参加意識を涵養する土壌は育まれていたのだと実感すると共に、現在の投票率の低さは当時の人たちが知ったらどう思うのでしょう、、、、

「普通選挙」と慶應義塾の人々

展示室の中央にあるケースには福澤諭吉の孫である中村愛作が選挙に立候補した際に配られた選挙ビラが展示されています🏃🏽‍♂️‍➡️
福澤諭吉にとっては目に入れても痛くない程可愛かったであろう孫の立候補。おじいちゃんパワーを遺憾なく発揮したのでしょうか、中村愛作の推薦状には犬養毅や北里柴三郎、藤原銀次郎など戦前の著名人たちがズラリ👀教科書などで見たり聞いたりしたことがある人がリストアップされています。ただ残念ながら中村愛作は選挙には落選、、、

錚々たるメンバー、、、
3名の展示担当者の非常に分かりやすい解説に没頭するHakuto氏。

内閣総理大臣になった塾員

慶應義塾大学からは多くの政治家が輩出されています。昨年内閣総理大臣に就任した石破茂首相も慶應義塾大学出身!因みに今までには犬養毅(第29代)、橋本龍太郎(第82代、83代)、小泉純一郎(第87代、88代、89代)の3人の総理大臣を輩出👓
そこで慶應義塾出身の歴代首相の関連書籍を一挙に展示!

先輩に4人首相がいるということになりますね。

下の写真は福澤諭吉が版籍奉還後急変する社会に対応していく為には学問により知識や知恵を得て自立していく必要性を説いた書簡に対しての犬養毅による跋(おくがき:書物の終わりに書く文章)で、展示担当者イチオシの展示品です✨

犬養毅は跋で、本文は福澤諭吉の「独立自尊」の端緒を開く内容で重宝すべきだと記しました。この貴重な犬養毅直筆文書は福澤関係文書の一つとして保存されています👍

こんな資料も慶應にはあるんですね、、、

さいごに

今回は慶應義塾大学三田メディアセンターの企画展示「議席を與へよ」をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
三田メディアセンターで展示見学の場合は一般の皆さんも入館可能です✨
受付でお声がけ頂ければ見学可🙆なので、是非足を運んでみてください!

三田メディアセンターでは企画展示や所蔵する貴重書にまつわるエピソードをXで発信中です。今回の「議席を與へよ」展の情報も随時更新中とのこと。要チェックです🔍