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展示室からのエフェメラ便り✉️① アーカイヴ?美術図書室?美術館?🏠

KeMCoでは現在「エフェメラ:印刷物と表現」展を3/18(月)から5/10(金)まで開催中!🌷
noteでも「エフェメラって何??」など、ご紹介してきました⏬

今回からはいよいよ、会場の様子をレポートしていきたいと思います🗒✒️

画面外左手(Room1):印刷物エフェメラ 
右手(Room2):河口龍夫と冨井大裕の二人展

はじめに

今回の展示「エフェメラ展」は会場が二部構成となっています💁🏻‍♀️
第一部=Room1では、特に戦後アートシーンの伝え手として発行された印刷物としてのエフェメラ=パンフレットやカタログ、アート雑誌を特集。
第二部=Room2では、エフェメラ/印刷物に関する作品を制作されている現代アーティスト・河口龍夫氏と冨井大裕氏のお二人の作品を展示しています。
⏩このうち、本note記事はRoom1:印刷物エフェメラの様子をお伝えする第一弾です🔥

Room1への誘導サイン⇦

エフェメラの住み処🏡?

ここで、「エフェメラ展」で頻出する言葉「エフェメラの住み処」をご紹介します💁🏻‍♀️💐「エフェメラの住み処」という言葉は、この展覧会のキーワードであり、また、エフェメラを考え、エフェメラに接していく上でのキーワードでもあります。

エフェメラの居場所はどこなのか

本展で最初にこの言葉が使われたのは、展覧会に先駆けて開催されたトーク・イベントのタイトル、「エフェメラの住み処:ライブラリー、ミュージアム、アーカイヴ」においてのことでした。
(イベントの様子は期間限定で公開中⏬)

すなわち、「作品」「書籍」とは違い長期的な保存・利用を目的とせず、短期間で役目を終えるチラシやパンフレットなどのエフェメラを所蔵している、「ライブラリー、ミュージアム、アーカイヴ」などの諸機関=「エフェメラの住み処」と称しています。
諸機関においても、本来長期保存を目的とせず作られたエフェメラの保存=居場所の位置付け方については、まだまだ議論の余地があるようです。

エフェメラの出張先=KeMCo

さて、つまるところ、本展覧会会場で見ることのできるエフェメラたちは、それぞれの住み処から出張してKeMCoに集結しているモノ。会期が終わると元の住み処に戻ります。しかし、今度は私たちがそれぞれの住み処を訪ねることで、ファラスケースの中に入っていたエフェメラを直接手に取ることができる、というところがこの言葉に隠れたメッセージです📯

エフェメラの住み処を訪ねるには

各エフェメラの解説キャプションには、それぞれの「エフェメラの住み処」のご紹介が付されており、会期後に資料にアクセスするきっかけになりそうです✨🚪

Art & Projectのキャプション

本展でご紹介する「エフェメラの住み処」はこちらからもご覧いただけます⏬ 

美術館には美術資料が豊富に所蔵され、それらを格納する図書室として一般に公開されていることもしばしば……!予約すれば活用出来る場所も多くあります。

KUACでは「草月アートセンター・コレクション」の他にも、「土方巽アーカイヴ」「瀧口修造コレクション」「西脇順三郎コレクション」などにアクセスすることができます。
また、慶應義塾のほかにも、各所の「アートセンター」「アーカイブセンター」などで所蔵資料の公開・閲覧などの情報提供が行われています🔎

慶應義塾の図書館は、慶應の塾生だけでなく、塾員(卒業生)や早稲田大学・一橋大学の方も利用(閲覧、複写のみ)出来るなど、調査研究のための間口が広がっています。
そのほか、一見利用が難しそうな自治体の図書館等でも、調査研究のために手続きを踏めば資料にアクセス可能な場合があります。エフェメラも活用される時を待っているはず。ぜひトライしてみてくださいね!

デジタルを住み処にするエフェメラ

また、発行の媒体として、最初は紙冊子だったものの今はデジタルへと住み処を変えているものもあります。エレベーターホール横で展示している「Studio International」はその一例。
誌面上の展覧会を試みるなど、アーティストの活動を反映した雑誌として知られた「Studio International」は、1992年に紙の雑誌という形態での発行を終え、2000年以降はデジタル版に移行しているそうです。

「Studio International」展示風景

会場では、デジタル版「Studio International」を閲覧することができます📚

ページをめくり閲覧する様子

ページめくりの感覚に違和感はありませんが、流し読みがしにくいこと/ページの細部を拡大・縮小できるようになることで誌面上の表現にはどのような変化が現れるのでしょうか……?
「住み処」を変えることにより維持されるものと変わっていくものを比べてみるのも楽しそうですね✨

おわりに

展覧会をきっかけとして、展示物を手に取るチャンスが開かれている、というところが今回の「エフェメラ展」の特にユニークなポイントなのではないでしょうか。

Room1にはこうした「エフェメラの住み処」から、さまざまなエフェメラが出張しています!次回、第二弾では、どんなエフェメラがあるのか、具体的にご案内していきます🤗

※参考文献
『[展覧会カタログ]エフェメラ:印刷物と表現』慶應義塾ミュージアム・コモンズ、2024年


KeMCo企画展「エフェメラ:印刷物と表現」

日付|2024年3月18日(月)~5月10日(金) 11:00–18:00 土日祝休館
特別開館|3月30日(土)、4月20日(土)
臨時休館|4月1日(月)、4月30日(火)~5月2日(木)
場所|慶應義塾ミュージアム・コモンズ(三田キャンパス東別館)    
入場|どなたでもご覧いただけます・無料
主催|慶應義塾ミュージアム・コモンズ、Japan Cultural Research Institute
協力|慶應義塾大学アート・センター
出品協力|東京国立近代美術館アートライブラリ

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画面右:カタログ 左:展覧会チラシ

文責 KeMiCo Honoka



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