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ポーがKeMCoに出没!?第1回「オブジェクト・リーディング•リーディング: 精読八景」

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暑くなって参りました…!みなさまいかがお過ごしですか?

前回のnoteでは、オブジェクト・リーディングとはなんぞや等々、「オブジェクト・リーディング: 精読八景」展に関する基本的な情報をお届けしました!
(未チェックの方は是非、こちらからアクセスしてみてください)


前回の記事での予告通り、今回からは「オブジェクト・リーディング: 精読八景」展の出展作品のうち、ポスターには掲載されていないオブジェクトをご紹介していきます。✨

今回の展覧会に参加する計8部署のうち、毎回1部署ずつフォーカスする、全8回構成です。


・慶應になぜポーの遺髪が…?

今回ご紹介する未リリース作品は、三田メディアセンター(慶應義塾図書館)所蔵の、あのエドガー・アラン・ポーの遺髪入りペンダント!


エドガー・アラン・ポーといえば、誰もが一度名前を聞いたことがある、アメリカ人ミステリー作家ですね。📖

幻想的な作風で知られ、世界文学史上において、探偵小説の創始者として広く知られています。

多才なポーはさまざまなジャンルの作品を残し、ジュール・ヴェルヌなどを初め、多くの文学者に影響を与えた文豪です。

そんなポーの遺髪が入ったペンダントを所蔵しているのは、三田メディアセンターです。

それにしても、なぜアメリカ人作家の遺髪が慶應義塾に…?とお思いですよね?

この遺髪は元々、ブラウン大学名誉教授バートン・リーヴァイ・セントアーマンド・コレクション(Professor Barton Levi St. Armand’s Collection)のものでした。

2009年、日本ポー学会によって慶應義塾三田キャンパスで開催された、ポー生誕200周年記念イベントに合わせ、アーマンド氏が三田キャンパスを訪れました。

講演に合わせて、三田キャンパスではアーマンド氏のコレクションが展示され、その際、遺髪の束の一部がもたらされたようです。 


・KeMCoを闊歩するポーの亡霊!?

実は、この遺髪の持ち主であったアーマンド氏の自宅に泊まった、アーマンド氏の甥が、ポーの遺髪を保管していた自宅2階で、ポーに似た黒いマントの男を見たという噂もあるとかないとか…

KeMCoにも会期中にポーの亡霊が現れるかもしれませんね…

遺髪を保管する文化は、亡くなった人を想起するための文化として東西あらゆる地域に存在するようです。

能の演目「清経」には、源平合戦の際に四国の海に身を投げた夫、清経の遺髪を前にした妻が、夫を思い悲痛に暮れていたところ、その日の晩、妻の夢の中に夫が出てきて語りかけてくる、というエピソードがあります。

ミイラなどにも髪の毛がそのまま残っている例がありますが、髪からその持ち主の生前の姿を想起してしまうのは、人間の普遍的な感情なのかもしれませんね。💭

ポーの亡霊に出会えるかはともかく、実際に展示室を訪れて在りし日のポーの姿を想像してみるのはいかがでしょうか。


・珍獣とポー …って、なんで?

そして、三田メディアセンターからはもう一点、しかけ絵の珍獣(「唐蘭船持渡鳥獣之図」より「獣類之図」)が出品されますよね。
(今回は特別に一部をちらっとお見せします!)

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今回の展覧会に参加している8部署は、それぞれ2点ずつ作品を出品しています。

実は、同じ部署から出品されている、一見あまり関連がなさそうな2つの作品の間には、それぞれ必ず共通点があるのです!

「唐蘭船持渡鳥獣之図」より「獣類之図」とエドガー・アラン・ポーの遺髪入りペンダントの共通点は…

実際に会場に来て、精読シートを埋めていけば自ずと見えてくるはず…!
展覧会が開始してからのお楽しみ、ということにしておきましょう。

ポーの探偵小説よろしく、謎に満ちた二つのオブジェクトの共通点をじっくり探ってみてください!

・ポーは不死の一族…?

ところで、ポーといえば、萩尾望都のコミック「ポーの一族」を連想される方も多いのではないでしょうか?

永遠に年を取らない「パンパネラ」の一族の名前、ポーは作家エドガー・アラン・ポーから取られているようです。

ポーの遺髪が展示されているroom1の隣にあるroom2には、「ポーの一族」を読むことができるコーナーも…?

毎日暑いですが、少しひやっとする探偵小説の巨匠、ポーの息吹を感じに、夏休みはKeMCoへ!

(文責 : 学芸スタッフKeMiCo KOYURI)

「オブジェクト・リーディング : 精読八景」展
会期は8月16日から9月17日 
開館時間 11:00から18:00(土・日・祝日休館)です。

ご予約はこちらから
※入場には事前予約が必要です。