展覧会最大の謎、精読シートの正体が明らかに!?第4回「オブジェクト・リーディング•リーディング: 精読八景」
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展覧会最大の謎、精読シートの正体が明らかに!?第4回「オブジェクト・リーディング•リーディング: 精読八景」

さて、数回にわたって「オブジェクト・リーディング : 精読八景」展のご紹介をして参りましたが…!

今回は、本展覧会最大の謎「八景ピース」について、ご紹介いたします!

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・復習!そもそも「オブジェクト・リーディング」とは?

「精読」?「八景」?「オブジェクト・リーディング」?と謎多き本展覧会。

「オブジェクト・リーディング」に関してはこちらで既にご紹介済みですが、本展の根幹を為す大事な概念なので、念の為再確認させていただきますと…

目の前に存在するフィジカルな作品=「オブジェクト」
と向き合うことで
「リーディング」=読み解く鑑賞体験
のことでしたね。

キャプションなどの文字情報や事前知識による先入観に惑わされず、目の前の作品とじっくり向き合うことで、新たな知見を得られることが「オブジェクト・リーディング」の魅力でした。


・「八景」って?

「八景」とは、ある場所の八つの優れた風景を表すそうです。

「近江八景」や「金沢八景」など、「八景物」と呼ばれる作品シリーズも多数残っていますよね。

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例えば、慶應義塾には歌川広重の「東都名所之内 隅田川八景 今戸夕照」が所蔵されています。
こちらの作品も、Keio Object Hubでご覧いただけます。

今回の展示では、慶應義塾の誇る
・慶應義塾大学アート・センター
・慶應義塾大学文学部古文書室
・慶應義塾大学附属研究所斯道文庫
・慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻
・慶應義塾福澤研究センター
・慶應義塾大学三田メディアセンター
・慶應義塾大学文学部民族学考古学専攻
に、KeMCoを足した計8部署が作品を出品しています。

なるほど、こうして「オブジェクト・リーディング : 精読八景」展の会場となるKeMCoに八景が成立するのですね!

すでに、
・慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻 (こちら
・慶應義塾福澤研究センター      (こちら
・慶應義塾大学三田メディアセンター  (こちら
は、ご紹介済みです!

まだお読みで無い記事があれば、この機会に是非、チェックしてみてください!

上記8部署はそれぞれ2点ずつ作品を出品しています。

そしてその2点を読み解く際、八景ピースに書かれた精読のためのヒントが重要になってきます。

会場では、それらヒントを手がかりにしながら、じっくりと「オブジェクト・リーディング」をしていくのでしたよね!

KeMCoからは、「オブジェクト・リーディング」のキーとなる「八景ピース」と「デジアナ展開」が用意されています。

…「デジアナ展開」?「八景ピース」?
そういえば、「精読シート」?などという代物もなかったか…?とお思いのみなさま!

今回は、その辺りをしっかりと解説いたします!

・八景ピース?八景シート?精読シート?

みなさまには、会場で気づいたことを短冊のような細長い紙片、「八景ピース」に書き込んで、「八景シート」に差し込み、「精読シート」を完成させていただきます!

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「八景シート」中央の不思議な空白は、「八景ピース」を差し込むためのものだったのですね!

精読のための秘策、「精読シート」は、この「八景シート」に「八景ピース」を差し込み、完成させたものを指すのです!(ちょっと複雑ですが…)

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要は、みなさまは、「オブジェクト・リーディング」を体験する過程で、自分だけの作品調査書=「八景ピース」を集め、「八景シート」に差し込んで集め、それらの総体である「精読シート」を完成させていただく、ということになります!


・自分だけの展覧会カタログを作れる!?

展覧会チラシって、保管に困って捨ててしまったり…

ファイリングしても後から読み返すことは滅多になかったり…

さまざまですよね。

「オブジェクト・リーディング : 精読八景」展では、おうちに帰ってからもついつい読み返したくなる「精読シート」という、カタログとしてもお持ち帰りいただける展覧会チラシの新しいカタチをご提案します!

「八景ピース」を集めていくと…!?

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「八景ピース」は、ワークシートというよりも、調査書を作成するような気持ちでオブジェクトをじっくりと観察していただくための手助け、といったイメージです。

そしてその過程で、じっくりとオブジェクト・リーディングを体験していただくことができる、という仕組みです。

「八景ピース」には、各部署ごとの一見無関係な二つのオブジェクトの間にある関係性を読み解くヒントや、各部署特有のオブジェクトの読み解き方のヒントが書かれています。

オブジェクトには多面性があります。

例えば、前回ご紹介した「椿説弓張月」は、本としても美術作品としても、歴史資料としても捉えることができますよね。

どの枠組みからそのオブジェクトを読み解くかによって、目の付け所が変わり、その違いは各分野の調査書に顕著に現れるのです。

・謎の部屋room2

KeMCoには4階に展示室が2部屋(room1とroom2)あるのですが、主に作品を展示しているのはroom1なのです。

それではroom2では一体何ができるのでしょうか…?

ポー回でちらっとご紹介した棚街では、各部署が本展示に合わせて選書した書籍が並んでおり、自由に手にとって閲覧していただくことができます!

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また、room2にはなんと、デジタルプレイグラウンドも出没するようなのです…!

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room1の各作品に関連し、その作品ごとに考え抜かれたデジタル展開が見られるとのことで…!

先ほどの精読シートを、オンラインで他の鑑賞者の書いたシートを閲覧できる仕組みもあるのだとか…!
(希望した方のみのアップロードですので、ご安心ください!)

機械はちょっと自信がないな…という方もご安心ください!
フレンドリーかつ凄腕のKeMCoM(学生スタッフ)が、しっかりとアップロードのサポートをしてくれるそうですよ!

ここでも、慶應デジアナ展開の先鋒、KeMCoらしいアイデアが光りますね…!✨

(文責 : 学芸スタッフKeMiCo KOYURI)

「オブジェクト・リーディング : 精読八景」展
会期は8月16日から9月17日
開館時間 11:00から18:00(土・日・祝日休館)です。

ご予約はこちらから
※入場には事前予約が必要です。




慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)は、2021年4月にオープンした慶應義塾の大学美術館です。このnoteでは、KeMCoの所員やスタッフがミュージアムやアートに関わる話題を幅広く展開します。「我に触れよ(Tangite me):コロナ時代に修復を考える」展10/18〜